田島史也

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカの田島史也のレビュー・感想・評価

3.6
実写版ミニオンズ。
バカバカしさと愛らしさの協奏曲。


始まった瞬間から、尖ったリーゼントと革靴が目に飛び込んでくる。ようこそ奇妙な世界へ、と言わんばかりの幕開け。もうこの時点で大好きな作品だと確信。これらのとんがったモチーフが、象徴的なイメージを形成し、ストーリーの映像上の軸となる。カウリスマキ映画におけるタバコの役割をこれらが代替した。

レニングラード・カウボーイズの演奏を楽しむ作品でもある。とても愉快なんだよね。観てるだけで気持ちが軽くなる。
頭が空っぽな集団だけど、音楽センスは抜群。ずっとボーカルのピースが欠けており、下手くそだと言われていたが、終盤にそのピースが偶然見つかり、ようやくバンドが完成する。くだらない世界観だけど、ロードムービーとして、もしくはサクセスストーリーとして、ストーリーがしっかりしているから、納得感すら感じさせる。

ここまでスベらないコメディって凄い。脱力感が良いのだろう。「民主主義復活」とか最高。いやいや、封建制の復活よ笑
凍死体をドライヤーで温めだした時も、本当に笑
結局蘇るし。笑

くだらない80分だったけど、良い80分だった。本当に素敵な作品に出会ってしまった。


映像0.7,音声0.8,ストーリー0.8,俳優0.8,その他0.5
田島史也

田島史也