円柱野郎

招かれざる客の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

招かれざる客(1967年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

サンフランシスコの名士の白人娘が、結婚相手として黒人を連れてきた。突然のことで戸惑う両親を尻目に、娘はすぐに承諾の返事が欲しいと言うが…。

娘の両親役にスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンというだけでも見応えがあります。彼らの演技はさすがに貫禄があるよなあ。
そんな名優スペンサー・トレイシーは本作が遺作なんだよね…。

連れてこられる結婚相手の黒人はシドニー・ポワチエ。
優等生黒人という役は彼ならではだけれど、優等生でなければならなかった設定が、この時代の空気をそれとなく理解させてくれます。
でも、例え優等生であったとしても、白人と黒人の結婚というだけで戸惑われるわけだけどね。

テーマ的には平等や人種差別の本音と建て前を描いた作品と取れるけど、それをまるでホームドラマのような作品にしているところが妙に深刻にならなくて良いと思う。
まあ、両親の苦悩は描かれているけど、そういう意味では周りを振り回しすぎのお嬢様はもうちょっと空気を読んで欲しいところかw

ラストまでモメながらも上手く纏まっていく展開も良く、特にラストのスペンサー・トレイシーの演説はさすがの一言。
喋っているだけなんだけど、それだけで魅せてくれる。
円柱野郎

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