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悪魔を見たのRのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔を見た(2010年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2010年の韓国映画。

監督は「密偵」のキム・ジウン。

あらすじ

雪の夜道で1人の女性が姿を消し、数日後無残な死体となって発見された。殺された女性ジュヨン(オ・サナ)と1ヶ月前に婚約した国家情報院捜査官のスヒョン(イ・ビョンホン「天命の城」)は犯人である連続殺人鬼ギョンチョル(チェ・ミンシク「ザ・メイヤー 特別市民」)を追い詰め、壮絶な復讐を行う。

Netflixにて、2度目の鑑賞。

いや、結構な量のグロ映画観てきてるけど、やっぱこれは作品としては面白いけど、キッツイわ。

序盤、主人公スヒョンの奥さんが冷酷な殺人鬼ギョンチョルに捕らえられるシーン。

マッパでビニールシートに包まれる様子から嫌な予感しかしなかったんだけど、「お腹に赤ちゃんが…」という言葉も虚しく、無残な姿に。

いやー、キツイわ、救いがない。

しかも、当の殺人鬼を演じるのが韓国の名優、チェ・ミンシクってんだから余計恐ろしい。

韓国映画にハマり始めの頃に今作を観たので、ミンシク氏のイメージは未だに今作の猟奇的なイメージが強い(顔も怖いしね笑)。

そこから、ビョンホン演じるスヒョンの復讐が始まるんだけど、こっちはこっちで殺意の波動を抑えることなく、初っ端から容赦がねぇ。

多分だけど、劇中瞬きしてないですよね?

元々、クールな役柄が多いビョンホンが演じてるから余計に恐ろしかった。

最愛の妻と子(スヒョンは終盤知らされることになる)を無残に殺されたわけだから、生半可な復讐だと観てるこちら側からしても不完全燃焼になるわけだけど、その点も心配ありません。

充分容赦ないので!!

フルボッコにしては逃し、フルボッコにしては逃しの繰り返しで、常人ならとうに死んでそうなもんだけど、石で骨を砕き、腱を切り、体力ゲージ2くらいでその度に逃されるギョンチョルにとってはまさに生き地獄。

つか、作中、殺人鬼のエンカウト率高すぎだろっ!!

でも、敵もさる者とはこのことでギョンチョルも復讐のたびに牙を磨き、叛逆の機会を狙っていて、それが爆発するのが最後の解放時。

あろうことか、嫁さんの父親と妹を惨殺させてしまう。

こればっかりは生殺しで野放しにした、完全にスヒョンの落ち度ではあるわけなんだけども、その結果、遂に(というか初めからか)堪忍袋の尾が切れたスヒョンによる最後の処刑シーンに繋がるわけで。

まぁ、ソヒョンがギョンチョルに下す「最大の復讐」がアレで良かったのかはわからない。けど、ギョンチョル自身のことを考えると間違いなくサイコだろうし、肉親だろうが息子だろうが捨てたことを考えるとどうなろうが知ったこっちゃないだろうし、また同じ凶行に走る可能性も高い。だからこそ、血族の犯した罪は血族で払えというソヒョンのメッセージはギョンチョル自身の罪の枠組みを超え、両親、息子まで連鎖させた考えうる限りで最高に残虐なやり方とも言える。

けど、結局、やり遂げたからと言って、ソヒョンには何も残らない。

妻や子どもも戻らないし、更に一層被害を広げた結果、ソヒョンの歩む道は闇だ。真っ黒な闇。

凶気と狂気の復讐を巡った戦いの果てに待っていたのは虚しさだけってのも、わかっちゃいるけど、皮肉だよなぁ。

今作、間違いなく面白いですが、グロさ以外にも脱糞シーンあり(明確なミンシク氏の大が見れます)、獣のようなセックスありの観る側の気力を根こそぎ削ぎ落とす、猛毒性が高い作品でもあるので、ご注意を!

2度目の鑑賞だったけど、これ観た後、すぐさま「靴職人と魔法のミシン」を観て中和しました笑。
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