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静かな生活の一のレビュー・感想・評価

静かな生活(1995年製作の映画)
3.0
『タンポポ』『お葬式』の伊丹十三監督作品

両親の渡航中に起こる障害者の兄と妹の、波乱に富んだ日常を描く

おそらく宮本信子がメインキャストでない伊丹作品はこの一本のみ

重い部分もありつつ、障害を押し出して無理に泣かせてくるという演出などは無く、素直な言動や行動に笑ったりハラハラさせられたりと、コミカルに描かれているのは好印象
人の温かさを感じられるし優しい作品でもある
ただ、いつもの伊丹十三作品のように構えていると、ちょっと面白みに欠けるというのが本音

いきなりサスペンス調になり、それも結構尺をとっていたり、説教臭さを感じてしまうセリフ回しも少し気になってしまった
つまらないわけでは無いけど、これまで観てきた伊丹作品に比べてしまうと…という感じです

渡部篤郎の、繊細な心を持った障害者の演技はとても自然で素晴らしかったし、佐伯日名子の透明感も抜群に良かった
だけど何だろう全然伊丹十三の映画って感じがしない…
宮本信子あっての伊丹作品なんだなぁと改めて思い知らされました😢👏🏻

2020 自宅鑑賞 No.416 GEO
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