この映画に別な題名をつけるとしたら、
『覚悟』だと僕は思いました。
『天国と地獄』
その名の通り、富裕層と貧困層のいろいろな感情が織りなすサスペンスの傑作!
白黒時代でありながら、時代を感じさせない見事な脚本!
映像に一切頼らず、俳優の表情、セリフ、絶妙な間の使い方は
さすが『黒澤明』の一言につきます!!
最近読んだ本で
『映画を早送りでみる人たち』
を読んで衝撃をうけたのを思い出したのが、
この、『世界の黒澤』しかり、
いろんな映画監督が、考えに考えて、
‘’10秒の沈黙”
にしたシーンを、
5秒でわかるわけないやん!
と、改めて思いました笑
そして、
冒頭で述べた、
『覚悟』について
この覚悟という感情って、今の自分にとって一番大事な言葉であり、自分そのものなんですが、
この言葉、感情って、具体的に説明しろと言われると、多分みんなが勘違いしていると思いますが、
僕が唯一言えるのは、
‘’経験した者にしか語れない特別な感情”
そしてこれは自分から意識する感情ではなく、自然と内から湧き出る感情でもある
なんなら、
『感情』ではなく、
『状態』なのかもしれないとさえ思う
そしてすごいのが、この主人公は、
最初と中盤で、この感情の違いを見事に表現しているということ
初めは、
リスクを恐れずに、全財産をかけて敵対勢力に立ち向かおうとしている。この資産がなくなれば自分もろとも破滅なのに。
人生で1度あるかないかの大一番。男として生まれたのであれば1度は経験したい人生を賭けた勝負。
しかしこの時の主人公の感情は、
実は覚悟ではなく、
『勇気』
だと思います。
勇気を辞書で調べると、
‘’勇ましい意気。困難や危険を恐れない心”
そして、
この主人公が勇気から覚悟に感情が変わった瞬間が、54分〜の、
「こんな時に見習いの腕が役に立つとはな」
この哀愁漂うセリフの時に感じられる一見諦めや、絶望感にもとれる感情こそが、
『覚悟』
だと、僕は思いました。
覚悟を辞書で調べると、
‘’困難や危険を予測できているのにもかかわらず、それを受け止めようとする
『心構え』
こう書かれていました。
世の中で失敗と言われることを、たくさん経験した人たちが、なぜそこから這い上がれるのか
それは、この『覚悟』を経験したからだと僕は思います。