KUJIRA

マトリックス レボリューションズのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

キャラや能力を無計画に拡大した結果、収拾不能になったシリーズの結末がこれ。

預言預言と言いながら、行き当たりばったりの展開。だから言ったでしょ、と後で言われても説得力が無い。
予め言われていたのは、救世主が調和をもたらす的な事だけ。
預言と言うよりは、指令が来る感じ。

後から後から継ぎ足した結果、一貫性の無い印象の作品になってしまった。

多過ぎる登場人物に、活躍の場を与える。混沌を極めた話を収束させる。その為に、無理に紡がれた脚本。

前作で、機械を止める超能力を手にした件は不自然。今作の冒頭で、昏睡状態のネオが狭間の世界に迷い込んでいるのも唐突。
あんなに癖者のフランス人が、ネオを解放した動機も不可解。
モニカ ベルッチの扱いが雑。

急にマシンシティに行くと言い出すネオ。マシンシティって何??そんな設定出て来ただろうか。

挙句、トリニティを死なせる。
この死に方には、必然性が無い。
前作で、超反則技で蘇生させたのは何だったのか。

マシンとの交渉もアッサリ。

スミスとの闘いは、目も当てられない。
空中を飛行しながら衝突。周りの雨やガラスが吹き飛ぶ。余りにも荒唐無稽で引いてしまう。ドラゴンボールか。

前作では、数でゴリ押しして倒せなかったのに、スミスがタイマン張る謎。
本気出して無かったとでも?

最後、ネオがスミスと同化する事で、スミスが崩壊。取り込まれた人達も生還する。
だったら、さっさと取り込まれてしまえば解決したし、無駄に人が死ぬ事も無かった。
先に、預言者が取り込まれ無いと成立しないのだろうか。

その間、ウジャウジャ湧き出るマシンをマシンガンで単調に撃ち続けるシーンと、狭い通路を船で無理矢理飛ぶシーンを執拗に挿入して引き延ばす語り口が効果的とは思えない。
アクションシーンが続いているのに、変化が乏しく、飽きて来る。

あの少年兵士は必要ですか?

人間剥き出しのロボットで戦う無謀さ。歩く度に操縦士にあれだけ衝撃が来る兵器は使い物になら無い。

あのテクノロジーを維持している割に、服はボロ。

平和が訪れて抱き合うナイオビとモーフィアス。今彼ロック司令官より、元彼モーフィアスを選んだと言う解釈で良いのか。

自分を犠牲にしたネオ。死んだ様にも、意識を失ってるだけにも見える。
わざわざ生きていた設定で、また話を作る程のネタがあるのだろうか。

正直、今作の体感は3時間だった。実際は90分。
何とか終わらせたのに、また始める。
しかも続編。金の匂いしかしない。
でも、見ずには居られない。

全く何が言いたいのか分からない作品。解説の中には、「これは悟りを描いている。悟りの境地に達した者にしか理解出来ない。」的な物があった。
そんな難解な事を何の説明も無しに、大衆娯楽に放り込む様な人が、悟りの境地に達するとは思えないが。
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