このレビューはネタバレを含みます
人は縋るものが無くなった時、かくあるべきか。
それは秩序や法律、ルールであったり、宗教であったり、究極のシチュエーションでは武器・武力だったりもする。『心を支えるつっかえ棒がふと無くなった時、人はどうなるのか。』という実験を悪意をたっぷりコーティングして仕上げたポップコーンホラームービーだった。
霧、ということで「見えない恐怖」を押し出してくるかと思ったら想像以上にモンスター描写で脅かしてくる作風。異次元から来たとはいえ悪魔的過ぎるモデリングはわかりやすくて良い。生態系とか生物としての機能とか考えてなくて「霧の中のヤベー奴」って舞台機能を全うしてていっそ清々しい。
言葉にならない、ある種で究極のバッドエンド。生きる希望は最後まで捨ててはならないという教訓ですね。