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ヴァン・ヘルシングのHKのレビュー・感想・評価

ヴァン・ヘルシング(2004年製作の映画)
3.3
ヴァン・ヘルシングと言えば、ハマー・プロのホラー映画でピーター・カッシングの当たり役だったドラキュラの宿敵の老教授。
ジョン・バダムの『ドラキュラ』ではSir.ローレンス・オリビエが、コッポラの『ドラキュラ』ではSir.アンソニー・ホプキンスが重鎮の貫禄で演じた由緒ある役柄。

それを『X-メン』のウルヴァリンで当時売出中のヒュー・ジャックマン(当時35歳)が演じてイメージを一新、プロのモンスター・ハンターというアメコミ・ヒーロー風のバリバリのアクションキャラに。
『ブレイド』じゃあるまいし、実はこの設定に抵抗があってずーっとスルーし続けていましたが、最近はもう何でもアリと割り切って、CSで放送してたので観てみました。

やはり見た目も老教授どころか、まるで菊地秀行の“吸血鬼ハンターD”みたいで、なんでわざわざヘルシングの名を使うのかと思ってしまいますが、ケイト・ベッキンセイルは好きだし、モンスターも吸血鬼、狼男、フランケンシュタインの怪物にジキルとハイドまでまとめて出してくるサービス精神にまあそこそこは楽しめました。

でも、無理にこれらモンスターを全部出すためのストーリーは雑だしありきたりで新鮮味も無く、途中で飽きてしまったのも正直なところ。
ジャックマンとベッキンセイルの外に存在感のあるキャストがいないのもマイナス要因。

とくに敵側のボスのドラキュラに全く魅力なし。
どう見ても『X-メン』の“ウルヴァリン”ことジャックマンと、『アンダーワールド』のヴァンパイヤ“セリーン”ことベッキンセイルに太刀打ちできる相手には最初から見えません。

本作のヘルシングを見て、原作のイメージとは別人になってしまったケネス・ブラナー版のエルキュール・ポアロ(オリエント急行およびナイル殺人事件』)を思い出しました。
変えたなら変えたでプラスの効果が必要だし、元の特徴を殺してしまうだけならいっそ別のキャラにした方が潔いと思います。

別物と割り切ればそれなりに楽しめるかもしれないのに、ブランド名をつけた上で勝手にイメージを改竄するからオリジナルのファンから反感を買うんです。
ゴジラしかり、仮面ライダーしかり、ウルトラマンしかり、ガンダムしかり・・・
あれ、別の話になっちゃいました?
(『シン・~』シリーズは一応期待してます。半分ですが)
HK

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