満月の下で繰り広げる大人の恋を、シェールとニコラス・ケイジの共演で贈るロマンティック・コメディ。
男女2人のラブストーリーに留まらず、ニューヨークに住むイタリア系アメリカ人の家族ドラマにもなっている。
婚約者の弟に恋をする娘、浮気する父、独身の大学教授と食事する母という家族だが、ドロドロな愛憎劇ではなく全体的に陽気なムード。
オープニングとラストで流れるディーン・マーティンの「That’s Amore」はロマンスに溢れ、劇中の音楽はどれも陽気。婚約者の弟に恋をする流れが唐突で説得力に欠けるが、オペラデートはロマンティック。
夫と死別してから着飾ることをやめていた女性の大変身や、歌劇場前の待ち合わせ、オペラを見て流す涙が美しく、魔法にかけられた月夜のデートは名場面。その中に家族と鉢合わせするハラハラ感もあり、ラストはハッピー。
母ローズを演じたオリンピア・デュカキスの演技が特に良かった。まあ、結果オーライだね。
