くわまんG

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオのくわまんGのレビュー・感想・評価

4.5
マックス「ついにママには言えなかったから…愛してるわ、ナンシー。」
ナンシー「知ってたわ。あなたが愛してくれてたのを、アマンダは…。」

みどころ:
「処女ナメんなよ!」
『T2』的王道泣き脚本
バカ映画愛溢れるバカ映画
登場人物の役割配分が完璧
字幕と吹き替えの質が残念

あらすじ:
母子家庭に育った女子高生のマックスは、三年前の事故で母アマンダを失い、今は叔母と暮らしている。生前の母は泣かず飛ばずの女優だったが、ナンシー役で出演した『血塗れキャンプ場』は、今やB級スラッシャーのカルト映画となっていた。
その日『血塗れキャンプ場』上映会で久々に母親に会ったマックスだったが、不審火で劇場は炎に包まれてしまう。必死に逃げのびたその先は…
なんと“映画の中”だった!混乱するよりも早く、マックスの胸にある想いが駆け巡る!
…ここには、お母さんがいる…

マックスとアマンダ、マックスとナンシー、そしてアマンダとナンシー。時空を超えて繋がるやりとりが、親子愛物語、友情物語、さらには主人公の成長物語を引き出し、ドラマチックな相乗効果で心の眼がこじ開けられるわけです。

ナンシーの悪夢、ジェイソンもどき、「ビッチキャラは死ぬ時間帯よね…」に代表されるメタフィクションなど、レジェンド作品への敬愛に満ちた娯楽要素もふんだんで、終わり方も文句なし。ホラーファンはもちろん、バカ映画好きも大喜び、さらに人を選ばず感動させうるドラマ性を内包した、マルチに素敵なB級映画。アホらしいタイトルが鑑賞後じわじわ効いてくるオマケ付きで、たったの88分だからたまげます。

是非『2』も作ってもらって、レトロな「夢オチ」で締めてほしい。そして現実世界で、“内的葛藤という闘いを終えて処女卒業”エンドとかならもう最高ですな!