シズヲ

新・さすらいの用心棒のシズヲのレビュー・感想・評価

新・さすらいの用心棒(1976年製作の映画)
4.0
ジュリアーノ・ジェンマ&ジョージ・イーストマン、長身痩躯のイケメンが揃い踏みのマカロニ。じゃあかっこいい西部劇なのかっつうとそんなことはなく、コミカルな展開が続く軽快なドタバタ腐れ縁バディムービーだ。冒頭5分目くらいでいきなり出落ちをかましてくれるので笑う。作中でジェンマが「意味もなく笑ってる奴」呼ばわりされてたのも正直笑った。

大筋のイメージは何処となく「明日に向って撃て!」っぽいし、ジェンマ演じるベンの婚約者が特に意味もなくフェードアウトしたりと展開のずぼらさも否めない。それでも肉弾戦中心の大胆なアクションやテンポのいい話運びは普通に良い感じ。何より主役であるベン&チャーリーの魅力のおかげで楽しく見れちゃうんだよな。とにかく喧嘩してばかりの凸凹コンビで、序盤から愉快な掛け合いを繰り広げてくれるのでグイグイ引っ張られる。

端から見たらボンクラコンビなのに、何だかんだで相思相愛めいた関係性なのがいじらしい。ベンもチャーリーも反目し合ってるけど結局は二人でつるむ道を選ぶし、うだうだ言いつつも男同士の友情があるんだよなあ。そういうところがどうも憎めないし好き。終盤のシリアスな展開も悪役の存在も概ね二人の関係性の当て馬として機能しているのがいっそ潔い。
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