シズヲ

愛は憎しみを越えてのシズヲのレビュー・感想・評価

愛は憎しみを越えて(1983年製作の映画)
3.5
遅れてやってきたインディアン系マカロニ・ウエスタン。冒頭から何となく『ソルジャー・ブルー』っぽいインディアン虐殺シーンが繰り広げられる時点で本作の血生臭さはすぐに察せる。頭の皮剥ぎは勿論、傷口の生々しすぎる化膿や胸部に鉤爪を突き刺す拷問など悪趣味で痛々しい場面が目白押しだ。流石に現代のバイオレンスや過剰なスプラッターと比べるとそこまで過激ではないけどね。

ヒロインにあたるインディアンの娘はジャケットほどのセクシー系ではないけど凛々しいし結構かわいい。彼女がランボーばりのゲリラ戦を挑むのも面白い。互いに複雑な境遇を抱えた男女が共に逃避行をしながら愛を育むストーリーはベタではあるけど、テンポの良さや外連味も相俟ってぼちぼち程度には楽しめる。つっても基本的にはマカロニなのでそんなに大した作品ではない。ただラストの決闘シーンの構図は中々ブチ切れてて好きだし、結末は邦題に反して完全に憎しみの方が愛を越えている。
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