円柱野郎

縞模様のパジャマの少年の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公は冒険モノの本が好きな純真無垢な8才の少年。少年は純真が故に“農場”のフェンスの意味も、縞模様のパジャマの意味すらも分からないわけだけども、最期の最期まで本当の現実を理解することがなかったというのは、少々強引な気もする。まあ、知らない方が幸せだったかもしれないけどね。逆に言えば、その純真さ故にラストの展開が際立っているのだけども…。
何も知らない少年によって、その現実に目を開かされたのは家族であるナチス将校一家(であり観客)だったわけだ。ここで「間一髪助かりました、チャンチャン」では話にならないし、個人的には納得した。
とはいえ、やはり設定上は甘い部分が多く、ご都合主義な展開とも感じてしまった。そこが今一歩リアルと寓話の間で上手く寓話にシフトできていない気がして勿体ない。悪い話ではないんだけど、やはりホロコーストを描いた寓話という点では、ベニーニの「ライフ・イズ・ビューティフル」には及ばないね。
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