コーカサス

少年時代のコーカサスのレビュー・感想・評価

少年時代(1990年製作の映画)
3.7
柏原兵三の小説「長い道」を漫画化した藤子不二雄Ⓐの同名漫画「少年時代」をベースに、山田太一が脚本を手掛け、篠田正浩監督が映像化。
井上陽水による主題歌は、本作のために書き下ろされ、今も夏の定番曲として歌い継がれる名曲だ。

“大人の中に大人を 子どもの中に子どもをながめなければならない”

『少年時代』は“子どもの発見の書”と云われる『エミール』で著者ジャン=ジャック・ルソーが記した言葉そのものだ。
またその著書において①自然の教育②人間の教育③事物の教育の《3つの教育》を掲げたルソーの思想は、まさに本作のテーマと云っても過言ではない。

藤子不二雄Ⓐこと安孫子素雄氏が亡くなった。
思えばどれだけ影響を受けただろう。
手塚治虫をはじめ、もう一方の藤子不二雄である藤本弘、そして安孫子素雄には今も憧れと尊敬を抱いてやまない。

少年時代に夢見たまんが道は、遠い想い出のあとさきとなり、今はただココロのスキマを埋めんばかりである。

60 2022