円柱野郎

THX-1138の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

THX-1138(1971年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジョージ・ルーカスが南カリフォルニア大学在学時に制作した短編を元に、90分の長編にリメイクしたSF作品。
ルーカス監督のデビュー作。

管理統制された社会から脱出する男の物語だけど、オリジナルの短編からはかなり設定が膨らまされている。
ただ、妙なスピード感があったオリジナルと比べると、その管理社会の日常描写のせいで全体的に漂う閉塞感が勢いを殺しているような感じ。
確かに抑圧された不気味さはあるのだけど、観る側にとっては禅問答のような息苦しさが漂う。
そもそも"逃げる男"と"追う管理社会"という単純なコンセプトだけで魅せられる話だったから、全体的に間延び感が拭えないのかもしれないなあ。

ただ、そのビジュアルセンスにして70年代当時のことを考えれば見事。
白い屋内、果てのない白い部屋、暗いトンネル、そしてラストの夕日。
使い方は上手いね。
SFXに関してはカーチェイスなどの迫力が素晴らしいが、現在の版はCG修正などが入った2004年のバージョンしか観られないので、当時の映像でどうだったかは判然としない。
円柱野郎

円柱野郎