ミッキン

もののけ姫のミッキンのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
3.9
『金ロー』で散々ヘビロテ放送してるのに、これまで頑なに観なかった。予備知識ゼロ。ストーリーも、誰が主人公なのかも今日まで知らず。

途中、『エヴァ破』が何度もチラついた。
タタリ神になった乙事主に呑み込まれるサンを助けるアシタカから「綾波を、返せ!」の台詞が聴こえてきそうだし、デイダラボッチなんて使徒そのもの。
クレジットに庵野秀明の名は無いが、相通じるものは根底にあるのだろう。

腕が飛ぶ、首も飛ぶ。よくまあ放送出来るなと驚くほどグロい場面が多い。前にも書いたけど、『ナウシカ』公開時に王蟲を観て以来、宮崎アニメが苦手になったので昔ならトラウマ間違いなしだ。

勧善懲悪を是とするなら、ジコ坊やエボシが救われるのも何か釈然としない。
一方ではヒューマンな描写もあるので情状酌量的な面もあるけど。

ネットではプロの声優を起用しないことに批判的な声も散見するが、今作は皆んな役にハマってると思う。
サンも言われなければ石田ゆり子と気が付かなかったし、松田洋治も自然でいい。
エボシは小原乃梨子、ゴンザは永井一郎かと思ってた。田中裕子も上條恒彦も本当に上手くて感心する。

エンドロールで「インターネット」担当も名前を連ねていたが、時は1997年でまだ黎明期。まだADSLもない中でどんな展開をしてたのか個人的に気になった。
映画に時代を感じさせないだけに、ネットの急速な進化と普及は振り返るとヤバく感じる。