おときち

もののけ姫のおときちのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.5
静かな、強い怒り。


2週連続で劇場でジブリ作品を鑑賞。
1997年公開の『もののけ姫』。公開当時劇場では観なかったけど、ソフト化された後に1回だけ観たはず。テレビ放送は観ていない。だからほとんど内容を覚えていないかったけど、「ジブリで何が好き?」って聞かれると、なんとなく『もののけ姫』って答えていた。

というわけで、ほぼ初めてに近い感じで映画館で鑑賞。娘も一緒。


あぁ、当時の僕にはあまり響かなかったんだろうなぁ、こういう話。
でも今はとても響く。自分の年齢的にも、生活環境的にも。当時からさらに悪化している自然・環境問題的にも。


ここまでストレートな作品だったのか。
なんで記憶にないんだろう。なんか当時の話題性とか雰囲気とかだけで観てたんだろうな(観た気になってたんだろうな)。


環境破壊。自然と人間・文明の共存。


あぁ無理だ。人間が悪い。ずっと怒られている気がしていた。
静かに、でも強い怒りに。
最後の方のシシ神さまは、茶色・黒色な液体になったシシ神さまは、それこそ氾濫する河川のように見えて、なんだかとても辛かった。
これだけ豪雨災害が続く今日でなにも考えずに観ることなんかできない。全部人間のせいなのでは?って思うと本当に辛い。
あぁ、ずっと人間ってこうなんだな、と。


エボシさまが嫌いになれない。いや、むしろ好き。
あの村だって好き。あそこで働いている女性たちも好きだ。強い女性たち。働く女性たちの社会的地位。

モロ、好き。強く、広く、深く。美輪明宏の声も良かった。

サン、好きだわー。ジブリでいちばん好きなキャラクターかもしれない。

アシタカ。ずるいわー、彼。あれはモテる。
それは冗談として、自分たちの村を守るために戦った結果、呪いを受ける。
それでも、それを運命として受け入れ、解決策を探す。村のしきたりにも従う。
「えー、なんでだよー?オレ村を守ろうとしただけじゃん!なんでオレがそんなめにあわなきゃいけないの?」なんてことは言わない。それがアシタカ。でも僕だったらきっと言う。

強く、優しい。


あ、アシタカが出発するとき、見送った女の子がいたけど、あの娘のことがそれっきりだったのが、ちょっと気になった。まぁいいんですが。



もう一回観たい。でもこれからの時代、何回も観ることになりそう。