SMプレイの最中に殺害されたと思われる被害者女性。この奇妙な猟奇殺人の捜査を任された女刑事は事件の核心に迫っていくうちに自身もSMの世界に魅了されていく。

レズビアンの世界と倒錯した性、そして過去の傷痕とが絶妙に絡みあう官能サスペンス。エレン・バーキンがただひたすらエロい。

デイヴィッド・リンジーの『悪魔が目をとじるまで』が原作ということなのでこちらもいずれ読んでみようと思う。

にしてもジュリアン・サンズ、精神科医の役だからまともな役だろうと思っていたのにちっともまともじゃない！そうだ、この人にまともさを求めてもムダなのであった…。本作ではなんと女装姿が拝めるゾ。

「もう普通のセックスが好きな人間はいないのか？正常位で終わったらテレビを見るような…」殺人課の刑事も椅子に腰掛けて呆然と呟くような連続セックス殺人が発生。女刑事エレンバーキンはバーで行きずりの修理工スティーブンボールドウィンとソフトなSMセックス。調べていくとレズの会員制グループ、高級SM店などの存在が明らかに。エレンバーキンもカギを握る女に誘惑されて案外嫌いじゃない。この役はバーキン以外の女優がちょっと思いつかない。しかしこの街の女の大半がブロンドだな。ブロンドのウィッグ付けて女装で踊る精神科医ジュリアンサンズまで出てくるが、こんな話で真面目に地味な映画を撮るダミアンハリスに敬服。水着に着替えた少女の回想シーンなど要所で見せてくるケレン味も美しく、地味ながらも気合十分なのが伝わる。性的虐待のトラウマを抱えた女性ばかりでちょっと今っぽい話だが、実際に今これ撮ったら黙殺されるだろう。最後の犬、呆気ないのか美しいのか判断つかない横たわった二人のブロンド。ジュリアンサンズのケーキと果物盛り合わせとパン入れたカゴどっさりの朝食、診察室の壁のくぼみにズラリ飾った中国の首だけの像などすごいドリーム。最後の少女のエピソードも悪くないのだが、そう簡単にもいかないだろうと心を鬼にして4点。