Arx

グリズリーマンのArxのレビュー・感想・評価

グリズリーマン(2005年製作の映画)
3.6
熊に魅了され最終的に捕食されることになったティモシーは、普通にこの映画を見ていればイカれた愚かな人間であると誰もが思うだろう。しかし、ティモシーが撮った映像に映る彼の弁に対し制作者(監督)がナレーションで反論をしていくにも関わらず見終わった後にはどこか彼に対する温かい目線が残るのだ。

作中でも言われるように彼が(自然管理局のルールを無視して)撮影した熊の映像には映画監督として素直に羨望の眼差しを向けていることが分かる一方、彼の独善的な自然観には異を唱えている。このような監督に対する彼への目線(憧れと反発と反面教師)の複雑さが熊に近づくのは危険ですよ〜的な単なる教訓映画以上のものになっている。
Arx

Arx