一

マルサの女の一のレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
3.7
言わずと知れた伊丹十三監督の代表作

マルサ(国税局査察部)に勤務する女査察官と、脱税する経営者との戦いをコミカル描く

メインテーマである流麗なサックスのメロディーがあまりにも印象的で、鑑賞後も脳内でずっと流れてる…
1度聞いたら頭から離れない素晴らしい名曲ですね

伊丹作品は一貫して、身近な問題やちょっとした出来事を、ユニークな視点から展開してくれるので普遍的でとても受け入れやすい

実際この映画も、監督自身の前作にあたる『タンポポ』『お葬式』の売り上げを、ごっそり税金として持って行かれた経験を経て、製作に至ったとのこと

人間のお金に対する執着心、それを誤魔化し脱税する狡猾さと、それを許さず暴く側の正義
このバランスが絶妙で誰が見ても楽しめる痛快娯楽作品となっています

冒頭で誰にでもわかるような脱税をさらっと映し、その後もテンポ良く進む
セリフも一つ一つが味わい深くて心に沁みる

実際にこうした思考や手口で、どうにかして税金を取られまいと逃げ隠れするお金持ちは、今でも沢山いるのでしょうね…

以前はよくテレビで放送していて、小さいながらに流し見していた気がしたので、最後まで後回しにしておりましたが、いざ観てみると中身は全く覚えていなかった…

伊丹作品では当たり前のようにお色気サービスショットがありますが、これテレビで放送してたの?って今では思ってしまうようなファーストショットから始まり、その後も割と唐突にサービスショットがでてくる
今なら全カットでしょうけど…😭笑

若かりし宮本信子もとてもキュートで、そばかすを施されたメイクは抜群にかわいい
そして山崎努がメインキャストにいる安心感は異常
大地康雄がマルサのジャック・ニコルソン呼びされてるのはめちゃくちゃ笑った😂

公開から30年以上を経ても未だに古びていないのは、恐らく当時からほとんど変わっていないから

税金という身近かつ小難しいテーマを、これほど痛快なエンターテイメント作品に仕上げる監督の手腕👏🏻

2020 自宅鑑賞 No.423 GEO
一