「ヒア・マイ・ソング」

本作は俳優のピーター・チェルサムが監督し、脚本家のエイドリアン・ダンバーがアイルランドのテナー・ジョセフロックの物語に基づいて書いた1991年のコメディ映画で、このたび国内初ソフト化(BD購入)され、初鑑賞したがファンタジックな人情喜劇として面白い。1993年にBAFTAアワードのベストオリジナル脚本にノミネートされたらしく、英国映画の隠れた秀作である。今の今までこの映画を見ている人々は、口を揃えてなぜDVD化されないのだと不満を言っていたが、ようやくその夢も叶ったところで感極まっている事だろう。この作品はケルト音楽が流れるため凄く陽気な気分になる。ルネ・クレール監督の「自由を我らに」の主役2人に類似しており、ジョン・フォードが生きていたら、この映画を気に入ると思われる。観客の心にまっすぐ訴えかけてくるロマンティックな幻想映画であり、長編デビューとは思えないクオリティーの高さで微笑ましい作品である。

さて、物語はリバプールの小さなミュージックホール"ハートリーズ"でプロモーターを務めるミッキー。彼は経営が傾いたホールを立て直そうと、50年代に人気を博しながらも脱税容疑から逃れ行方をくらましてオペラ歌手ジョセフ・ロックの復活コンサートを企画する。しかし、当日舞台に上がったロックは偽物だった。信用も地位も失ったミッキーは本物のロックを探すためにいてアイルランドへあてどない旅に出る…と簡単に説明するとこんな感じで、アメリカ、イギリス公開時には「ニュー・シネマ・パラダイス」以来の感動と絶賛され、日本でも多くの映画ファンを魅了したファンタジードラマの傑作で、ネット・ビーティン、エイドリアン・ダンバー、タラ・フィッツジェラルド、デビッド・マッカラムら豪華キャストが出演しており、ハートウォーミングドラマの名手ピーター監督が幸福の洪水を押し寄せる様な衝撃なエンディングは、今なお観客の胸を熱くする。長いこと、VHSのみのリリースだった伝説の作品との事だ。

Blu-ray購入してたけど観てなかった一本。
愛を正直に伝えるって大事。
序盤、主人公のプロモーターとしての明らかに商売を意識した視点は好きじゃなかったが、全てを失って、アイルランドの地で当てもない人探しの最中、出会いを通して引き出されて行く本音、つまり本当に大切な恋人への愛を曝け出していく話だったから良かった。
同時に画面に登場する動物たちの名演。
なんと言っても、ラストの多幸感、爽快感といったら！
全体的に軽く、ノリが楽しいから観やすいし。

［2023年　92本目］

'21 11/24 ジャケ写掲載していただきました。

追悼 ネッド・ビーティ（6月13日死去）。

自分への思わぬ念願クリスマスプレゼントとなった本作、
超久々３回目の鑑賞（Blu-ray化に感謝感激）。

伝説の訳ありシンガー、ジョセフ・ロックを探して、、
イギリス流【ニュー・シネマ・パラダイス】の趣の古き良きを守るファンタジックなドラマ。


ダイアナ妃も愛した映画
VHS発売から28年振りの再リリース！
数多くのリクエストの声に応え待望の復刻！
淀川長治氏'92年度キネ旬年間ベスト1に選出。


ピーター・チェルソム監督デヴュー作にして最高作品に位置付けたい。

OPのほのぼのしたテーマ曲（ヒア・マイ・ソング）が本作のイメージそのものズバリ‼︎

冒頭からスッと入ってきて、そのままラストまで軽快なテンポで一気に魅せてくれる簡潔な脚本。

序盤のステージ上からのミッキー（エイドリアン・ダンバー）より客席のナンシー（タラ・フィッツジェラルド）へのジャズナンバーによる◯◯ポ◯ズ シークエンス結構好きだな（エイドリアンが何気に歌うま⁈）。

中盤のバーでの爺様◯歯シークエンスは最高。
他にも印象深いシークエンス、セリフの宝庫。

エイドリアン・ダンバー（脚本も担当）、タラちゃん（アンダーヘアがノーモザ）、そして、ネッド・ビーティの存在感‼︎
キャスティングも、各キャラ立ちもオールパーフェクト‼︎

涙と笑い、
クライマックスの圧巻コンサート‼︎
これほど勇ましい元気溌溂オロナミンCな【goodbye】の歌唱があろうか⁈


憎い演出で、クドさもないラストはとても【映画的】。

【音楽は人の心を動かす！
愛は人の心を動かす！
失った大切なモノを命懸けて取り戻す‼︎】それらをユーモア&エモーションを絶妙にブレンドして淹れた逸品で、初見時からの 感動 が100%色褪せずに漏れなく再生された。


＊ヒロイン役、タラ・フィッツジェラルド嬢（24）は、現代でいうエミリア・クラーク嬢にあたるかな。

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