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ミュンヘンのKeNのレビュー・感想・評価

ミュンヘン(2005年製作の映画)
3.3
初見。引き続き病床よりHuluにて。

「こんなことの先に平和はない。それが真実だ。」by アヴナー


1972年のミュンヘン・オリンピック開催中に、パレスチナの過激派組織によって引き起こされたテロ事件と、その後のイスラエルによる報復の暗殺テロ事件をクローズアップしたスピルバーグ監督の作品。
ジョージ・ジョナスの『標的は11人 モサド暗殺チームの記録』というノンフィクション小説をもとに描かれているようであるが、映画化にあたり かなり脚色されている感じで、実際に起こった事件や出来事ながら、果たして どこまで真実なのかは不明。

スピルバーグの作品としては『シンドラーのリスト』に続くユダヤ人問題を真正面から捉えた作品となるが、やはりそこはスピルバーグ自身 ユダヤ系アメリカ人ということもあり、自身のアイデンティティを追い求めていく上で、決して切り離すことが出来ない重要なテーマであることは間違いない。

この作品を通じてスピルバーグが言わんとする、報復は更なる報復を、憎しみは更なる憎しみしか生み出さないというメッセージはよく分かる。ただ、この作品が『シンドラーのリスト』ほど胸打つ作品には感じられないのは私自身の感性の問題なのか…?
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