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ガートルード/ゲアトルーズの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
出世しか頭にない夫との離婚を希望しつつ、恋愛を中心とした自由な人生を模索し、人生の終盤に「愛がすべて」と言い切る女性ゲアトルーズの肖像。ほぼミドルショットで構成され、回想シーンと 30年後のラストシーンのピンポイントで逆光を使った映像や、有力者の豪邸とラストの質素なゲアトルーズ宅の対照、野犬に囲まれる全裸女性という夢にみた光景と一致する絵画、鏡の多用など、念入りな演出は、前作から継承されている。新たな手法としては、会話劇と言ってよいほど会話シーンが多いことで、言語に基づく表現内容は深くなるものの、映画としては退屈になっているのは否めない。「男の仕事と女の愛は敵同士」という当時のジェンダー観の上でとはいえ、女性目線で人生を構築しようとする試みは、ドライヤーらしく意欲的。サントラは、ピアノと弦、グロッケンシュピールと思われる金属的な楽曲、登場人物エアランの作曲ということになっている印象派から無調らへんの歌曲、ソースミュージックのマーチ曲など幅広く、楽しめた
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