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パニック・フライトのSUIのレビュー・感想・評価

パニック・フライト(2005年製作の映画)
3.0
旅客機の隣に乗り合わせた男ジャック(キリアン・マーフィー)が、ホテルのマネージャー的存在のリサ(レイチェル・マクアダムス)を利用して、政治家の暗殺を企てる。
ただその背景である「何故」大物政治家は狙われているのか…とか、ジャックたちは「何者」なのか…といった詳細は一切語られない。
また、リサの胸にある切り傷が過去に暴漢によってつけられたという説明はあれど、その詳細もまた省かれている。

これだけ大規模な暗殺を計画している以上はそれなりの組織であるはずで、暗殺の妨害や仲間を始末したことによる報復も予想されるが、ラストはどうでもいいクレーマーの老夫婦に暴言を吐いてうっぷんを晴らす、という荒業を用いて爽やかなハッピーエンドで締めてしまう。
実に安直である。

政治家の暗殺とジャックとリサの攻防、その主題のみにフォーカスすれば評価として申し分ないかもしれない。
でも、事態の背景やその後の展開を考えると、果たして物語として本当にこれで良かったのか?と疑問を抱かずにはいられない。
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