このレビューはネタバレを含みます
マンネリの日常生活、毎日毎日同じことの繰り返し、ああもうイヤになっちゃった、もうどうでもいいや、ヴェニスでも行っちゃおう……月曜の朝ヴァンサンは遂にそれを決行。明るい日差しのヴェニスがすごくのんびりしてて、お金持っていたけどそれスられたけど、別に関係なかったな。行き当たりばったりでも友達できて、泊めてもらったりして何とかなるよね、どうにでも。屋根に上ってヴェニスを眺めて、ワインを飲んで語らって……
一方残された家族も、ヴァンサンいないならいないでやってくしかないよ。おばあさんは遂に壺を掘り出した。息子たちはちょっとしたアーティストで父親が(いても)いなくてもいろんなものを作り出してる、これがなかなかすごい。奥さんは困ってしまって怒ってたけど、突然ヴァンサンが帰って来た時には既に何かを悟っているようだった。その後前より仲良くなって、お互いありがたみがよくわかったんだと思う。
以上のようなことが全編台詞少なく決して大袈裟にならずに淡々と描き出されて、淡々としているからこそ心に染みてくる素晴らしい作品だと思う。