このモリは　思ってたんと　チガウモリ

(チガウ→ウッチャンのマモーミモーに言わせれば「チガーウ」→ミモーのこと好きだったな→春)

「クライモリ-禁猟区-」

本作はTSUTAYAでクライモリの最新作と思い当時見たことがあった作品で、あまりにもふざけた便乗タイトルに怒りを覚えるのは当然だが、中身が面白ければいいと思ったが、中身も最低最悪で見る価値なし。くだらない、つまらない、怖くないの3拍子揃った駄作中の駄作映画。このパッケージは紛らわしいとかそういうのじゃなくてもはや詐欺レベル…。

失踪事件が相次ぐ北ウェールズの森の真相を突き止めようとソフィーは友人達とキャンプに訪れる。森の奥で洋館を見つけた彼女は邸内を調査するが…というストーリー。
「クライモリ　デッド・リターン」のリリース前にリリースされたパチモンタイトルの英国産スラッシャーです。このタイトルにジャケも緑がかった女性の画像とかなり悪質なパクりですね。
内容は北ウェールズの森で失踪事件や牧場を襲って家畜や人間を殺したりしてる「ボドミンムーアの獣」の正体を探る為、女子大生のソフィーが友人と共に現地を訪れるも、友人一人と森の奥にある屋敷を訪れた所、何者かに襲われ監禁されるという物です。モチーフにしてるのは狼男伝説ですが、モンスターホラーではなくスラッシャーですね。
前半はソフィーが監禁された一室や屋敷から何とか逃げ出そうとする姿や彼女を探す友人達の姿が描かれますが、ゴア描写やショック演出もないので地味で盛り上がりには欠けますね。夜の屋敷の中をソフィー達が探索するシーンは雰囲気ありましたが。主人公のソフィーが結構自己中で(最初に予定立てて友人達呼びつけておいて遅刻しても謝罪しなかったり)行動能力も低かったりで共感しにくいですし、友人達もソフィーの親友ジェーンとその弟でソフィーに気があるディーンはまともだけど、後はチャラついたりやたらソフィーに突っかかるジェーンの彼氏サムなど死んでも同情しにくいキャラが多いですね。サムは後半謝罪したり反省してたけど。外は危険でソフィーを守る為に監禁してるという男ギャビンのイカレた感じは良かったですね。ゴア描写は最後のロサリオ目に突き刺す所くらいか。全然大したことないですけど。
ソフィーの幼少期のトラウマが狼男に襲われる記憶に変化してる描写は度々挟まれる割にはそこまでソフィーの心情掘り下げる描写もないし、トラウマ乗り越えた感じの描写もないので活きてない感じがしました。
屋敷の過去に関わる神父や友人達が屋敷に集まってくる後半からはちょっとしたどんでん返し(という程でもないか？)もあって盛り上がりました。ギャビンが満月見て倒れて痙攣し始めて「変身するわ！」と言い出した時は本当に狼男物になるかと一瞬思いましたが。終盤姿を現す殺人鬼は屋根から屋根へ飛び移ったり身体能力高そうだけど見た目は小汚いオッサンという感じで見た目のインパクトはなかったですね。ただ、明らかになるその過去はかなり切ない。ギャビンも「彼」も犠牲者なんだよなぁ。
終盤の倒して脱出したと思ったら…の展開はちょっと楽しかった。結局主人公に付き合わされた友達達いい迷惑だったなぁ。ラストの放心した主人公の姿はもっと酷いトラウマ抱えた事になった感じが出てて妙に後味の悪さがあります。特典に収録されてるもう一つのエンディングの方がホラーのお約束なラストで好きかも。
このタイトルのせいで評価最悪になってますが、個人的にはオススメするほどではないけど普通に見れる出来でした。