ひろ

シェーンのひろのレビュー・感想・評価

シェーン(1953年製作の映画)
3.5
製作・監督ジョージ・スティーヴンスによって製作された1953年のアメリカの西部劇映画

西部劇の名作として語り継がれている「シェーン」。それまでの西部劇とは一線を画した作品で、農民が正義の旗をかざし、西部劇の主役であるガンマンたちが悪役として描かれている。全くドンパチせず、素手で殴り合うガンマンたち。このシーンは、当時としては画期的な激しい暴力描写だったらしい。

少年の目線から西部劇を映し出しているのも素晴らしい。少年の目には強いシェーンがヒーローに見えている。そんなシェーンは、銃を持つことをためらう。農夫の妻は、「銃なんて無くなればいい」と語る。こんな素晴らしい台詞があったのに、アメリカは銃を手放せない。シェーンも銃を手放せなかったように。まあ、日本も刀で切り合ってたけどね。

この映画でスターになったシェーン役のアラン・ラッド。彼の早撃ちはかっこいい。ジョン・ウェインが最速で、アラン・ラッドがNo.2、宍戸錠がNo.3と言われていたとか。農夫の妻を演じたジーン・アーサーは、この映画が最後の出演作らしいけど、とても50代には見えない。

いま観たら違和感があるけど、アカデミー賞撮影賞を受賞した映像は観る価値があるし、西部劇の名作は単純で面白い。西部劇の名シーンとして語り継がれるラスト・シーンは、ネタバレになるから書けないけど、意味深で最高。ラスト・シーンについて語るのは、映画好きにはたまらない。
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