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イングロリアス・バスターズのSUIのレビュー・感想・評価

4.0
冒頭の、フランス人酪農オヤジのラパディットとSS将校ハンスとの駆け引きがまず手に汗を握る。
しかもその酪農オヤジがなかなかのシブさで、かなりいい味を出している。
また、彼の娘役でちょびっとだけ出てたレア・セドゥもとってもキュート。
と、冒頭の掴みはいつもながら感心してしまう。

ハンスはその後ラスボスとしてバスターズを実質的に抑え込んでしまうわけだけど、演じるドイツ人俳優のクリストフ・ヴァルツの存在感が周囲を圧倒していた。

ただ、本来ウィットに富んだ会話劇とバイオレンスに溢れるアクションがタランティーノの持ち味だけど、今回は会話劇部分が少しだけ冗長に感じた。

どこかやっつけ感というか、作品のクオリティーに若干のちぐはぐさを感じて、らしくないなーと思った。

なんでも、本来なら6カ月かかる編集をカンヌに間に合わせるために6週で完成させたとどこかで読んだ。もしかしたらそれと関係があるのかもしれない。

とはいえ、ラストのオチは伏線通りちゃんとレインの流儀が反映されていてさすがと唸った。
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