三隅炎雄

恐怖の昆虫殺人の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

恐怖の昆虫殺人(1967年製作の映画)
3.8
ロバート・ブロック脚本。人気ポップス歌手のヒロインが療養先の島で、蜜蜂を使った殺人事件に遭遇する。原作はH.F.ハード『蜜の味: ホームズ隠退後の事件』だそうで、ホームズ抜きの脚色ということになる。探偵も警察も全く活躍しない映画で、むしろそのアテにならなさ加減をユーモラスに扱っているのが面白い。職人的な味の、英国らしい田舎ミステリの小品、過度の期待は禁物だが、これはちょっと悪くない映画だ。撮影は的確で演技陣もしっかりしているし、ハチの特撮も67年の低予算映画なら健闘と言える。
IMDBの点数が酷く低いが、日常の欲求不満がたまたまこの映画に集まってしまっただけだろう。ネットではよくある現象だ。ヒロインの出演するテレビ歌番組で、ロン・ウッド〈The Birds〉の演奏が見られるのも貴重だ。このレーベルとしては苦にならない画質。
三隅炎雄

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