オルキリア元ちきーた

グラディエーターのオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.5
午後ローで鑑賞。
いつか観たいと思っていたので丁度良かった。

リドリー・スコット監督の歴史モノ。

ラッセル・クロウはヒーローのマキシマスだから闘い方も死に様もカッコイイのは当然として
それもやっぱりヴィランの演技が引き立てればこそのカッコ良さなのであって、その点はホアキン・フェニックスがしっかり良い仕事してる!
もう20年前なので、ホアキン若い。
濃い顔立ちの中に憎しみや嫉妬を忍ばせる未熟でドロドロした野心に溺れた青年っぽさがたまらん。
そしてその演出や表現に結構な尺を使っているところからして、かなりホアキンの演技を買っているのが分かる。
むしろ彼に助演男優賞を受賞させたいくらい。
ストーリーは割と単純な復讐モノ。
ローマの歴史物語を元にした舞台なのでカネの掛け方がハンパないのは観ればよく分かる。
スコット監督の作品は、いつも微妙に、私とは観たい視点がズレてるので、今回も観たい所を掠められていた感じがする。
というか、メインはマキシマスの復讐劇「ローマ版マッドマックス」なのだが、本当はコモドゥウスの不運を描きたかったんじゃないのかなぁ?という感じが抜けない。
いつの時代も、偉大な父親を持ってしまった息子に苦悩はつきもので、どんなに頑張ったって結局は先代と比較されてダメ出しされるのがおちで、その報われないがための卑屈さによる嫉妬の物語に読めた…というか読ませたがっていた?というのを感じてしまって、むしろ「コモドゥウス視点の物語」をスピンオフでちゃんと作ったりしたら面白いんじゃないかしら?とか、どうしてもホアキンのイメージを引きずってしまった。

あとはこのネタなら、クリストファー・ノーラン版グラディエーターとかも面白そうなんだけどなぁ。