ももぐり

アングスト/不安のももぐりのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.3
良かった点
・主人公の演技力と、それを逃さないような一貫したカメラの執着さが巧く、他人事のつもりで見ていたはずがいつの間にかかなり没入してしまった。
・終始主人公の独白があり、考えていることと行動してることが合致してたり矛盾してたり、リアリティがあって心理状態が楽しめた。
・上映時間が短めなので心配だったが、悪く言えばテンポの悪さや冗長さが、よく言えばじっくり凝った演技が余すとこなく見られた。

微妙だった点
・スタッフロールやカメラのブレで察せられるが、予算不足の感が室内の家具やら諸々に出ていたので、リアリティに欠けた(心象風景的なものだろうかとも思ったが、いずれにしても半端になってしまった)
・一部始終をほぼカットもなく映すので、テンポの悪さはある。その間に色々思索できたので個人的には気にならなかった。


扱ってる映画館が少なかったので、チケ代よりも交通費が高くつくくらい頑張って観に行きました。好みは分かれると思いますが、自分は大変満足でした。映画館を出てしばらく、街中を歩いた時にやたら緊迫してしまったり見える景色が変わったりして「ああ、意外と影響を受けてたのか」と感心しました。