1983年に公開され、そのショッキングな内容に一週間で打ち切りとなったというオーストリア映画。
もちろん当時日本では公開されなかったが、一部の映画マニアの間で「こりゃすげぇ」と話題になっていたらしい。
殺人衝動を抑えられない、殺人鬼の行動をドキュメントタッチで描く。
その前評判から、物凄い嫌〜な気分になるとか、ドス黒い気持ちで映画館を出るとか予想していたのだが、なんと、笑ってしまいました。。。
だって、殺人鬼の"完璧な計画"はグダグタだし、
「段取り悪すぎやろ!」とか、
「お前…もうヘロヘロやん?!」とか、
ツッコミどころ満載なんだもにょ。
まぁ、実際に殺人を犯せば体力は消耗するだろうし、死体は重くて運ぶの大変だろうし、リアルっちゃーリアルなのかもしれないが。
手持ちカメラで人物を追ったり、瞳や口元のアップを多用するような撮影手法や、殺人鬼の異常な心理に迫ったテーマは1983年当時では、恐らく斬新で挑戦的だったのだろうが、その後、2020年現在までに、現実を含め恐ろしく異常な事件や映画が数々生み出されてきた。
邦画でいえば園子温監督の「冷たい熱帯魚」とか、韓国映画「チェイサー」、近年公開された「テッド・バンディ」、「ハウス・ジャック・ビルド」などなど。
そう、冷酷にして残虐、凄惨な映画に慣れてしまい、大してショッキングでも無かったのである。
それも問題であるのかもしれないが…
なかなかの力作であるとは思うが、期待し過ぎてしまったなぁ。。。