なまくらウォッチメン

10番街の殺人のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

10番街の殺人(1971年製作の映画)
4.4
超面白い
劇的な展開をせず、殺人鬼の日常と若い夫婦が犯行に巻き込まれる様子を淡々と写していく実録犯罪映画

屍体の足だけ映す等、大仰には見せないフライシャーの省略演出が見事で、僅かなカットで殺人鬼の手際の良さと犯行の凄惨さを伝えるのが巧い

妻と赤ん坊を殺された夫が冤罪で絞首刑に至るまでの非情な展開もあっさりすぎるほど描いていて残酷
最後に入る「真相発覚後に夫の名誉は回復した〜」というくだりも、なんの救いにもなっていない感じが良い

感情移入する余地がない作りにしているのは実録映画としてこれ以上ないくらい正しいと思う