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沙羅双樹(しゃらそうじゅ)の一のレビュー・感想・評価

3.5
『朝が来る』『あん』『光』の河瀨直美監督作品

監督が自らの故郷・奈良を舞台に、双子の兄の失踪という深い悲しみを背負った少年の成長をつづる人間ドラマ

初期の河瀨直美作品のエンタメ性のない取っ付きにくさは変わらないし、ぶれっぶれの手持ちカメラの長回しで酔いそうになる
比較的セリフ少なく、ダルデンヌ兄弟やタルベーラばりの、背面から追いかけていうシークエンスが印象的
しかし彼女の作品には圧倒的な映像力があるので退屈さはない
それ故日本以上に海外で評価されているのでしょう

冒頭付近の自転車二人乗り最中、すれ違いざまにフワッとスカートがまくれあがる奇跡のパンチラにすら、不思議な芸術性を感じるのは河瀨直美作品くらいだと思う

ただ繰り返し踊っているだけなのに心が高揚する圧倒的な祭り描写の中、激しく雨が降り初めて見せる笑顔には素直に感動

なによりUAの歌声とともに流れる壮大な美しい景色のエンドロールが圧巻で、自然と涙がこぼれていた

監督自身が母親役で出演されているけど、やっぱり綺麗だなぁ

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿78% 〉
〈 IMDb 7.4 / Metascore - / Letterboxd 3.8 〉

2020 自宅鑑賞 No.501 GEO
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