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巨神兵東京に現わるののらのレビュー・感想・評価

巨神兵東京に現わる(2012年製作の映画)
2.0
特撮を全面に押し出した短編実験映画で志は買う。しかし映画的な醍醐味は皆無でストーリー的にも林原めぐみのナレーションによるガメラ3系の雰囲気怪奇調で、正直食傷気味ではある。

本作の一番の問題は巨神兵の大きさにある。ファーストショットのインパクトは確かに有るのだけど、街のスケールに対して巨神兵が大きすぎる。

しかもこの巨神兵はスーツアクターではなくて、操演なので大きいにも関わらず重量感を感じられず、街のスケールに対しての巨神兵の動きが速いので巨神兵の巨大感が響かない。

爆破シーンも破壊光線があたってから、実際に爆発するまでのタイミングが2テンポくらい速い。大量破壊描写は一気にやるよりワンテンポ遅らせてドカンの方が恐怖感が強まって良いし、舗装道路の爆発シーンも舗装路がめくれた時に火も一緒にめくれて出てきてしまい字面の下で爆発が起きているように見えない。。

本来これは特撮実験映画であるので話とか評価する必要はないが、映画館で有料上映する以上は話がつまらないと言わざるを得ないし、映像的にも非現実的な物が日常に割り込んでくる際に起きる異物感が弱く、特撮に拘りすぎてドラマがないので映画館で見るには10分と言えども厳しい内容になっている。
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