くわまんG

ロッキー5/最後のドラマのくわまんGのレビュー・感想・評価

ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)
4.0
あらすじ:問題解決から逃げて、自分が気持ちいいことばっかやってると、周りに誰もいなくなるぞ。目を覚ませ!

(やっぱり笑)ポーリーのせいで下町に戻ったロッキーが、弟子を育てて華やかな舞台へ返り咲きを目論むも、過ちに気づいたので弟子その他をボコボコにするお話。蛇足扱いされていますが、内省的な良作です。

ロッキーを人格者たらしめているのは、心から謝罪できる(=自分の過ちを認められる)ところ。妻や幼い息子に対しても、謝ることができるんですよね。これができる男は、この世にほんの一握りですね。

“10年付き合わなきゃ良さがわからない男”ポーリー。友の羽振りが良いとたかる代わりに、友が落ちぶれても決して見捨てない、最後の最後だけ優しい貧乏神。何だかんだ親友です。だからロッキーは、妻子のために納めた拳を、迷わず振るったのです。

また、メインイベント会場がストリートであることが本作の不人気に拍車をかけているようですが、相手を凹ます(一銭の興行収入も与えず地位も名誉も失わせる)ためには路上に沈める必要があったので、実は良くできた脚本なのです。

熱いハートin老いた肉体が、空っぽのハートin若い肉体に勝利するという構図も、問答無用に胸熱。倒れそうになったロッキーの背中を支えたのが、亡きミッキーというのがまた熱い。

どうしようもなく辛い時に身を助くのは、これまで自分が無償の愛を注いだ他人。「立てこの腰抜け!まだゴングは鳴ってないぞ!俺がついてるぞ…!」なんて言ってくれる他人がいれば、人生は幸せですね。



―以下備忘録です。トミーに裏切られて自暴自棄になってしまったロッキーに対する、エイドリアンの命懸けの激励と懇願。―



あなたがリングでパンチを受けてた時、私も一緒に受けてたの!だからわかるのよ、トミーのような人が現れた時、生き甲斐を感じることも。でもトミーはあなたと違うわ、ハートが無いの!
あなたは相手と闘う時、力でなくハートで闘ってたわ。ミッキーがそれを教えてくれた。ミッキーはあなたの特別な人だったのよ。でもミッキーは死んだわ!
今あなたが伝えることがあるなら、自分の息子に伝えてほしいの。目を覚まして!ジュニアは一人ぼっちよ!あなたが必要なの!トミーはあなたを幸せな気分にしてくれる。自分がまた勝ってる気分にしてくれる。でも私達はどうなるの?あなたは家族を失ってしまうのよ!