もものけ

ボーンヤードのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

ボーンヤード(1991年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

3人の子供を監禁して殺した事件を追う刑事は、かつて遺品から事件解決を導いた能力をもつ女性を訪ねる。
渋々協力する女性と共に、遺体安置所へ証拠を見つけに向かう刑事達は、恐ろしい夜を経験する事になる…。






感想。
物語は、なんのことはない"ボーンヤード"という遺体安置所でのゾンビ・パニック物でして、これといってそれほど面白さがあるわけではありません。

でも、キョンシーとして蘇った子供たちの特殊メイクが素晴らしく良くできていて、ヴァンパイアのような醜悪さが怖さを煽ります。
そしてゾンビ・パニックの王道としての孤立無援で閉じ込められた主人公達の恐怖でストーリーが進んでゆくので、B級ホラー映画としてはバッチリな演出でございます。
本来は可愛らしい子供たちなのに、アジア人というノッペとした顔立ちをあえて起用して、吸血鬼のような特殊メイクを施しているので、見た目の怖さ不気味さがより増しております。

ヘンテコな登場人物達や、何故あるのか分からない強力な武器など、ツッコミどころ満載に加えて、イケてない主人公の女性よりも遺体安置所へ運び込まれた、無関係の女性がヒロインなるくらい可愛かったり、むちゃくちゃな設定もB級ホラー映画ならでは。

「エイリアン」以降、ホラー映画で流行ることになる鼻汁ジェルの汚さでグロ描写を演出。

エレベーターの扉の故障という伏線を利用しての、密室の迷路と化する遺体安置所を逃げ回る設定に活かしており、低予算を上手くカバーしています。
呑気にチェンの遺体を運び戻る黒人キャラが笑えて、こういったキャラは意外と生き残るのよねという予想を斜め上に一瞬で殺されます。

作品の目玉は何といっても、感染して巨大化するバアちゃんとプードル。
コミカルながらも良く出来ているバアちゃんのクリーチャー・デザインがアメコミの敵役のようで、SFXを駆使して作り上げた動きの迫力は、なかなかです。
ヒロインが笑ってしまうほど愛くるしいフワッフワの毛に包まれた、ゾンビ・プードルが可愛らしい。

低予算の割には特殊メイクや、ラストの大爆発など、拘っているところは拘って製作されていて、古き良き90年代ホラー映画の良さが出ております。

ストーリーを楽しむというよりは、ビジュアルを愉しむ為のホラー映画というべき作品に、3点を付けさせていただきました。

子供の頃鑑賞するとホラーですが、今にして観るとコメディですね。
笑わせていただきました(笑)

何故か気合の入ったエンディングテーマ曲をRick Rossが歌い上げる”BraveHeart”というロック・バラードに字幕が付いて更に笑いました(笑)
ホラー映画ちゃうんかぃ!?(笑)
ヒロインの女の子を歌ったテーマ曲なんですかね?謎です(笑)
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