このレビューはネタバレを含みます
"ボス・ベイビー"の兄ティムは、あれから成長して家族を持ち、幸せなファミリーと暮らす毎日に、少しずつ成長してゆく娘へ嬉しさと共に残念さを感じつつ、あの頃に戻りたいと思っていた。
しかし、末娘ティナが"ボス・レディ"に任命され、再びミッションへと連れ出されるのだった…。
感想。
CGアニメが、ここまで表情豊かに表現出来る時代になったと驚いた前作より4年。
まさかの続編、しかもパパになるティムが登場するという時代を感じさせられながらも、いつもの展開にワクワクしてしまうドリームワークスのアニメーション映画。
とにかく動きが可愛らしくて、いちいち可笑しくなる動作など、終始笑みが溢れながら鑑賞してしまう、大人も子供もハマるアニメーション。
この動きと音は、会話が分からなくても伝わる演出であり、おそらく話せない子供を主人公にしていることから、その年齢層でも動きだけで興味を惹かれて楽しめる効果を狙っているものだと思います。
これは"トムとジェリー"が手法として使ったアニメーションの演出法であり、子供時代にその動きに釘付けになったほど。
それほど画面の何処かしこでキュートに、オシャレで、可笑しく動き回るキャラクター達が、音と共に笑いを運んでくれる極上のアニメーションCGでございます。
"ボス・ベイビー2"の間に短編の作品があるので、実際は3作目ともいえる作品ですが、劇場版としては2作目です。
アニメーションといえばウォルト・ディズニー社ですが、個人的には"トムとジェリー"が大好きだった私には、その系統を引き継ぐドリームワークス社のCGアニメーションのほうが好みで、特にこの"ボス・ベイビー"はアニメーション作品の中でも動きに感動した作品でもあります。
絵柄やキャラデザインは、ウォルト・ディズニー社よりもドリームワークス社とピクサー・アニメーション・スタジオのほうが好きです。
ちなみにウォルト・ディズニー社だと「ズートピア」が一番好きでしたけど、クリクリの大きい目の可愛らしいキャラデザインが好みのようです。
動きが特徴的な作品ですが、声優として演じる役者達の表現力も確かで、スラングや擬音などを使った動きに合わせる効果は、吹き替えではなく字幕オリジナル音声で鑑賞するとさらに楽しめます！
同年代になって娘の学校へ授業参観するティムが、娘の悩みを知り親離れしてゆく娘への理解を示す展開など、"バック・トゥ・ザ・フューチャー"を思い出すようです。
ベイビー忍者が可愛らしくて、凶悪というギャップと、"コブラ会"をもってくるパロディに笑いが止まりません。
赤ちゃんの永遠の興味を活用したアプリ開発で、権力を得ようとする"悪の組織"みたいな展開。
作品では、子供の仕草に関連性を持たせた理由を表現して、大人から見ると遊びに見える行為に、一つ一つ意味があるという暗喩をコミカルに演出している点も前作同様で楽しいです。
ほんと子供って飽きずに同じ遊びを繰り返して笑ってるんですよね(笑)
でも実はそれに意味があるとしたら…という発想が、子供への理解を深める親としての視点がコミカルな動きで、深いテーマ性を持った作品への魅力でもあります。
親の考えと子供求めからのギャップに反抗して、洗脳されたように世界各国の言語で"NO！"を叫ぶ赤ちゃんが、怖いはずなのにチャーミングでニヤケてしまう自分は、子供の気持ちが分からない大人の一人とも言えます（笑）
"悪の組織"が目論む"ベイビー革命"は、アプリに依存する現代社会を風刺したものになっており、ただのアニメーションとはいえないテーマ性も大人が楽しめる秘訣でしょうか。
やたらと記念ショットを撮影したがる現代人を皮肉って、アプリを開くと洗脳されるといった演出も面白いです。
ミュージカルは苦手ですが、タビサが父親の想いを感じて歌うシーンなどは、素敵な演出で涙すら浮かべて見入ってしまいました。
このタビサがほんとに可愛らしくて親心がキュンとしてしまう名シーンでした。
2では姉妹が協力し合う展開で、再びワクワクさせられてしまいます。
親は子供の成長を阻害しているかもしれません。
子供には何も与えてやれないのかもしれません。
それでも、押し付けがましくても"無条件の愛"を唯一与えられる存在なのです。
"子供時代は限られている、家族は永遠よ"
なんて、素敵なセリフでしょうか。
笑いっぱなしなのに、時折始まるセンチメンタルにホロッとさせられたりと、2作目になっても極上のアニメーション・エンターテイメントでございます！！
2作目でもニヤケっぱなしな"家族愛"がテーマの作品へ、5点を付けさせていただきました！
何気に音楽担当が、ハンス・ジマーなんですよね、驚き。
世界一のパパ。
あなたは、なれてますか？
サヨナラ〜
