イライライジャ

クレイジー・キラー/悪魔の焼却炉のイライライジャのレビュー・感想・評価

4.0
マリオバーヴァ監督作、12作品目の鑑賞にして遂に心からブッ刺さる映画に出会えた。
むしろファンからは不人気らしいが。
普段と作風が違うので、バーヴァ特有のゴシックホラーが好きな人は合わないかもしれない。だが特典映像でも語られていたが、『アメリカンサイコ』の原型とも言える。

「俺の名前はジョン・ハリントン。妄想症さ。」と、期待値高まる自己紹介で開幕。
女性にウエディングドレスを着せてマネキンまみれの気味の悪い部屋で共に踊る。そして殺して焼却する。
端正な顔立ちの殺人鬼だが、自らウエディングドレスを纏い、暗闇から薄ら笑いした顔が浮かび上がるカットがたまらなく良い。
殺したはずの妻が自分以外には見えているという怪奇現象が起き、殺した相手に翻弄され続ける。徐々に自分自身が渦に呑み込まれ気が狂う様は、私の大好きな映画『デモンズ'95』にも共通していた。