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増える賞金、死体の山/さすらいの賞金稼ぎのキーのレビュー・感想・評価

3.8
1973年のマカロニ・ウェスタン映画。
ジャンニ・ガルコが主演、と思って見ていると、ジャンニ・ガルコとスティーヴン・ボイドのダブル主演か?となり、最終的にはスティーヴン・ボイド演じる騎兵隊のチャドウェル大佐が主役で、ジャンニ・ガルコ演じる賞金稼ぎコーランが準主役、なんだなということで落ち着きます。監督は、この作品が唯一のウェスタン映画であるジュゼッペ・ロサティ。

1973年という、マカロニ・ウェスタン映画ブーム後期に公開された作品なので、ややコミカルな要素もありますが、シリアスな前期マカロニ・ウェスタン映画が好きな自分にも、まあ、許せる範囲のコミカルさです。

ジュゼッペ・ロサティの演出は、銃撃戦シーンはシャープで心地良いのですが、格闘シーンはなぜだかモッタリ。中盤の乱闘戦は長すぎて退屈するほどです。
序盤から中盤くらいまでずっと、チャドウェル大佐を中心にしたシーンと、賞金稼ぎコーラン中心のシーン が3:2くらいの割合で交互に進むのも、上映時間90分弱しかない映画としては集中をそがれました。

退屈なB級アクション映画だと油断していると、クライマックスの乱戦シーンでは、爆破多め。かなり興奮しました。このクライマックスだけならA級アクション映画です。
チャドウェル大佐の存在感の薄い部下2人の内の1人が、突然ブーメランとパチンコの名手というキャラになっていたり、賞金稼ぎコーランの武器が、突然ロケット・ランチャーのようなライフルになっていたりと、とってつけたような設定になっていますが、どちらも爆破シーンを盛り上げるため。ド派手な爆破シーンを見ていると、そんな細かいことはどうでもよくなります。

観終わって、色々と惜しい映画だったな、と思ってしまうのも、いかにもマカロニ・ウェスタン映画、という感じでした。
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