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プリンセス トヨトミののらのレビュー・感想・評価

プリンセス トヨトミ(2011年製作の映画)
2.5
豊臣家の末裔が大阪に独立国家を作って生きていたという話だが、本編よりも走る綾瀬はるかの胸の揺れや、食事を美味しそうに食べる綾瀬はるかの方が気になる映画になっている。

全体として役者陣というか登場人物のキャラクターが立っているので、見れる事は見れるのだが、やはり話がつまらないのでカタルシス的な物も無く、全体的にぼやけた印象しかない。

これは原作の問題なのか?と言われるとそうではなく、映画化する時の味付けに失敗している。例えばプリンセス・トヨトミ本人が、自分がそれである事に気づかなくても大坂国機能しているんだから、何を大騒ぎする必要があるのかよく分からないわけで、そういう部分をビジュアルで見せないといけないのだが、本作ではそれをしていない。そのため観客はどちらの味方で見れば良いのか分からないから感情移入しにくくなる。例えば大坂国総理大臣の息子が女装で学校に通っていじめられるという設定があるが、ナヨナヨってしていた男の子がヒロインの為に男になる的な展開も用意されていないし、途中で頭丸刈りされちゃうので、そもそもいじめられる原因であるナヨナヨさが分からない。

このようにビジュアル面でもう少し工夫すればもっと良くなる印象を受けるのが、そのもう少しが尽く足りていないのが本作の特徴といえる。

ただヒロインを演じている沢木ルカはすごくよくて、本当に美少年みたいな少女ですばらしい。
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