人気女性歌手との独占契約を狙っているレコード会社が、競合相手の会社社長を誘拐しようと企む。デンマーク産のエロティック・コメディ。濡れ場では本番行為をしている。
レコード会社の対立と業界内部の人間模様を利用することで、セックス喜劇を拵えている作品。人間の性の営みを「滑稽の対象」として捉えており、クラシック調のスラップスティック・コメディに振り切っている。
容姿の異なるヌード女優が多数起用されているため、何とも形容しがたい健康的なエロスを感受することが可能。とりわけ、スター養成所に潜入するシーンが「ザ・眼福」であり、ジーン・セバーグのようなベリーショートの女性に目を奪われる。
正当な劇映画のスタイルに無修正ポルノを持ち込むという、日本では不可能な作風を実現させているため、無性に悔しい思いをさせられる。かつての大島渚、寺山修司、日活ロマンポルノの布陣が、海外のポルノ解禁に嫉妬したのも、宜なるかな。
