まりぃくりすてぃ

花嫁人形のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

花嫁人形(1919年製作の映画)
5.0
こんな平和な映画久しぶり!

オッシー・オスヴァルダを初めて観た。「人間なのか、ゼンマイ式なのか」よりも、「女なのか、男なのか」が途中まで判然としなくて(?)、可笑しさに拍車。
でも、主演の個性にとどまらず、作品の全要素が(もちろん冒頭から!)もう可愛らしくて可愛らしくて、……何だかもう、争いごとに疲れた世界中の大人たちを大雑把なネタで癒してくれるためにあるような、厭味ゼロの喜劇。
“気合一発勝負”なばかりではなく、お皿を割っていくシーンなどにはほどよい細密さも覗く。換言。計算し尽くされてないシーンなんて、ありそうにない。
それとか、職人の少年、いい。すごくいい。
1919年作ということは、第一次世界大戦終了直後のタイミングかな。2017年の今だって、地球人のあいかわらずギスギスしがちな心のための、素敵なお薬になりうる小品だと思います。
ドタバタのサイレントといっても、目をつぶってピアノだけ聴いていてもかなりゴージャス。「ピアニストさん、本当にお疲れさま」と一声かけたくなるぐらいにずーっとね。

てわけで、、、姉妹さえいないのにリエとミキ・マキの狭間にリカチャン人形として生まれたつもりで育ち、たまたまドハマリしたA・マッカーシー(←『マネキン』)で映画人生カンブリア紀を始めた私は、百年も前のオッシーちゃんにふらふらちょこんと辿り着いてホッコリ&感無量。
あ~ぁ、早く結婚したい……。