こぅ

THE ROOM 閉ざされた森のこぅのレビュー・感想・評価

THE ROOM 閉ざされた森(2006年製作の映画)
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図らずも再鑑賞。

サイモン・ラムリー脚本/監督によるデヴュー作で、
【シチュエーション・スリラー】。

【'06年 オースティン ファンタスティック映画祭 最優秀賞他5部門受賞作品】。


ある日、ドナルド卿(ロジャー・ロイド=パック)は自らが所有する屋敷を明け渡すことを決めた。
しかしその後、精神を患っていた息子、ジェームズ(レオ・ビル)が突然奇怪な行動を起こす…。


・脚本
冒頭、
個人的に非常に稀な例だが、退廃した屋敷の朽ちた老人のショットで、フィルマ開始前の既視感が甦った〜。
そして、本編に入ると、これから大変な事になるのを確証した。

広い屋敷には、父親、ドナルドと精神を病んだ息子だけ、、いや、病床には母親、ナンシー(ケイト・フェイ)もいる。
父が出掛けると、息子には到底看病を頼めない。
留守中は、お助けナース、メアリー(サラ・ボール)に依頼した。
最低限キャラのほぼ屋敷内ワンシチュ。

何がスリラー/怖いかって、
自分をマトモだと思い込んでる異常息子が動けない病床母親の 介護 をするという危うさだ。
母親は、息子の看病は怖くてノーサンキュー。
これは残酷な、ある意味 監禁拷問 だ!
息子は、やって来る部外者(お助けナース)をシャットアウトする。
色々と一生懸命なんだがヘマばかりでパニックを起こし 滑稽コケコッコー に映る。
ずっとこのまま一辺倒かと思えば、変化を持たせて飽きさせない。
息子がクスリ打ち過ぎて 幻覚症状 を起こす描写や、これはどっちなんだ⁈という考えさせるのもユニーク。
それは◯◯の死因にも繋がる。
後半の早送りによる、縮め/端折り方も良い。
恐らく、その他にも無駄を極力カットしてこのタイムに切り詰めた/落ち着いたのだろう。

ラストの映像を観て、
ん⁈あ〜これは◯◯だったのか〜と間違いに気づく(まさかこれがオチ⁈)。
これにより実質じゃなく裏の主人公も判明する。
◯◯だとしたら他の突っ込みも出てくるのだが、、

ED、哀しき余韻は残る、、


・総評/演出/演技
好き嫌いハッキリ分かれそうだ。
もろホラーなジャケ写や邦題は違うなぁ、、

家族怖だったり、庶民から隔離された状況、締めの余韻から、監督は、S・キングの【シャイニング】+【ミザリー】からのインスピレーションが窺えるし、
ステディカム的撮影やドア下からの 顎ショット なんかは【シャイニング】のモロ模写/リスペクトであろう。

展開に
やや突っ込みどころもあるが、悪魔や心霊を使わない 狂人/人怖 で勝負していて、脚本や映像にも緩急をつけているし、恐怖と笑いは紙一重 も理解していて、サイモン監督(38)の個性的才能を認める!

明らかに評価分かれる作品だ!!

主要キャストは皆好演で、
特筆は、
息子役、レオによる、エド・ノートンも顔負けの知的障害者的 怪演 が結構リアルで観る価値あり。
こぅ

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