ひろぽん

弱虫ペダル SPARE BIKEのひろぽんのレビュー・感想・評価

弱虫ペダル SPARE BIKE(2016年製作の映画)
4.0
劇場版『弱虫ペダル』4作目

総北高校の巻島裕介と箱根学園の東堂尽八の作中屈指の2大クライマーである2人の過去編を描いた物語。
『弱虫ペダル』スピンオフ作品


巻島が総北高校の自転車競技部に入部したての高1のエピソード、東堂が中2の時に自転車競技と出会うエピソード、荒北のヤンキー時代のそれいけ!荒北くんの子猫と戯れる小ネタの3本立てのオムニバス形式で描かれる。

巻島が入部したての頃に先輩たちから左右に大きく傾けるダンシングをバカにされながらも、ひたむきに努力してバカにしてきた先輩たちを結果で黙らせる姿は本当にカッコ良くて痺れた。「ピークスパイダー」という異名が誕生するまでの原点のお話。他の先輩方は皆期待していなかったのに、主将の寒咲兄だけは巻島に可能性を感じ期待を寄せ信頼するシーンに感動してしまった。

普段は自転車屋として登場する寒咲兄の貴重な現役時代や、圧倒的な安心感のある総北高校3年の金城、巻島、田所の入学したての3人の初々しい時代を知れたのも見どころの一つ。徐々に打ち解けていく巻島の姿を見るとうるうると涙が出てくる。

巻島が新しくフレームを新調するエピソードもとても良かった。頼りがいのある先輩だと思っていたのに、昔はよそよそしく不器用でコミュニケーションもまともにとれず、髪も短かったことに驚いた。


東堂の自転車との出会いは運命的なもので、「山神」の異名を持つ「スリーピングクライム」誕生までのエピソードが良い。東堂を自転車競技の世界に引き込んだ修作は本当に良いキャラしてる。東堂が常に身につけているカチューシャの誕生秘話も面白い。美人女子高生から貰ったカチューシャの装飾を本人の目の前でぶっちぎるのはさすがに笑った。失礼すぎる。

荒北のイカつい見た目とのギャップのある子猫との戯れは癒された。


巻島と東堂、荒北ファンには最高の作品。初見の人よりファンに向けられた内容だから、予習してからの鑑賞をオススメする。タイトルの『SPARE BIKE』はイケてるし、エピソードも引き込まれるくらい面白くて好き。このスピンオフにもちゃんと原作があるのか。続編があるならずっと観ていたい。弱ペダの映画作品の中で断トツで好き。
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