劇場版『弱虫ペダル』5作目
小野田坂道が2年生になり、手嶋率いる新生総北高校のメンバーが挑む2年目の夏のインターハイ栃木編を描いたTVアニメ総集編。
箱根学園の3年生追い出しレース、総北高校の1年生ウェルカムレース、小野田坂道たちの2年目のインターハイ1日目の山岳賞争いまでを描いた物語。
箱根学園の3年生追い出しレースでの、共に戦い抜いた3年生と2年生のレギュラーたちの争いから始まる世代交代の白熱したレースは心が高鳴る。次世代に熱き魂が受け継がれていく姿は熱い気持ちになった。
今作のテーマは世代交代と天才じゃない凡人たちの戦いであり、凡人の心の葛藤が丁寧に描かれる。
インターハイのレギュラー争いを掛けた1年生ウェルカムレースでの才能に恵まれない凡人杉本が前半の主役であり、後半は主将ながらも才能が無いことを分かりきった上で箱根学園の天才クライマーである真波に、山岳賞争いで戦いを挑んでいく手嶋が主役となる。
自分に才能が無いことを分かりきっている手嶋が、努力し必死に天才に食らいついていく姿はやっぱり感動する。何よりも、真波の自転車のチェーンが外れるという不測のトラブルがあったのにも関わらず、景色が綺麗だからティーブレイクをしていたと言い放ち、真波が来るまで待ち、正々堂々と勝負を挑む姿が男の中の男でめちゃくちゃカッコ良かった。
物語のスポットを天才じゃない人たちに当てたことにより親近感が湧き、誰もが共感できるような作品に仕上がっていた。
杉本や手嶋が直面する現実はとても残酷なものだが、敗北を知りさらに強くなっていく2人を応援したくなった。
必死に頑張って努力して凡人が天才と張り合う姿を見ると勇気とパワーを貰える。
TVアニメの総集編で中途半端な所で終わってしまうことや、アニメの内容がそのままなので目新しさがないところが残念。削ぎ落としてるシーンも多いが、凡人にスポットを当て余計なシーンをカットしたことにより総集編とは思えない仕上がりになっているのが良かった。
これまであまり活躍のなかった手嶋や杉本にスポットが当たってるのが良い。2人とも好きなキャラだからこれからも負けずに頑張って欲しいなと思う。