茶一郎

マージン・コールの茶一郎のレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
3.8
『墓穴を掘って』

 リーマンショック前の投資銀行のサスペンス、ドラマ。会話劇であり静かな夜のオフィスと人を見る映画。

 嵐の前の静けさ、嵐が来るのが分かり、待ち、覚悟する人たち。何も起こっていないようで、『静かに』自体の深刻さがジリジリと判明する恐怖。
ドンドン深夜のオフィスに上司が呼ばれ、上司を呼び、上司が呼ばれるのが面白い。

『全てはカネのため』という「ウルフ・オブ〜」を静かで厳かにしたような社長も印象的で、もちろんケヴィン・スペイシー、俳優陣の顔がイイ。

 何といってもラストの切れ味。まさに『墓穴を掘った』、無駄のない脚本で、エンドロール中のアノ『音』には本当に鳥肌がたった。


(どうも最近では是枝、ベネット・ミラー監督よろしくドキュメンタリー出身の監督の抑えた演出が好きだなー)
茶一郎

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