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花影のmingoのレビュー・感想・評価

花影(1961年製作の映画)
4.3
ラストがやばい「雁の寺」に通ずる。昨年の旧作ベストがあれば間違いなく3本に食い込む。気づきはもちろん、人間の本質に切り込んだ虚無という切り口が凄まじい。美人で気立てが良く聡明で気がきくため人並みの幸福が逃げていく女性を説得力抜群に描いている悲哀映画なのだが、本人からすると圧倒的に鬱々しい内容なのにこうまでも魅せられるのは1人の女性の人生ドラマに施された川島の光と影の演出にハマったからだろう。佐野周二をはじめ池部良三橋達也高島忠夫有島一郎と池内淳子を惑わし続けるリアルエゴイストどもの最高演技も相まって、文句無しの起承転結。観賞後の闇が凄まじく放心してしまうので観るときは心の準備を。しかもちょと待って、また菊島隆三脚本かよ彼よりおもろい脚本家おらんの?山岡久乃の生き方も女性の在り方として見逃せない。
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