イチロヲ

ビヨンド・ザ・ダークネス/嗜肉の愛のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
婚約者と死別した剥製技師の青年が、遺体の永久保存に腐心しながら、屍体愛好と人肉嗜食の衝動を覚醒させていく。婚約者の遺体に刺激され、変態くんに成り果てた青年の顛末を描いている、イタリア産ホラー映画。

冒頭部、婚約者が亡くなった原因は、主人公の家政婦にあることが真っ先に明示される。主人公はごくフツーの好青年なのだが、家政婦に焚き付けられるかたちで、アブノーマル人間へと変貌。そこに捜査官が関わってきて、サスペンスが動き出す。

薄ら笑みを浮かべたまま、腹に一物あると言った態度を取る、家政婦が一番の変態人間。主人公が指示したわけでもなく、まるで阿吽の呼吸が最初からあったかのごとく、粛々と死体処理していく。

女性を全裸にひん剥いてからの解剖、切断、焼却という、必要最低限のエログロがテンポよく挟み込まれるところが印象的。動かなくなった恋人の代替を捜し出そうとする心理状態に、得も言われぬほどの「棒の哀しみ」が込み上げてくる。
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