鷲尾翼

バットマンの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
3.5
【まとめシネマ】#634

【まとめ】
* チープな世界観が癖になる
* コントみたいなジョーカー
* 80年代の実写化の価値観

本作はティム・バートン監督特有のチープでファンタジーな世界観のバットマンが楽しめる。ゴッサム・シティをジョーカーがバルーンでアピールしたり、バットマンが乗るバットモービルも超合金のようなクオリティ。

そして、決定的なのが「バットマンの黄色いロゴ」この配色は、クリストファー・ノーランもマット・リーヴスにも描けない。

本作で印象的なのが、ジャック・ニコルソン演じる悪のカリスマ、ジョーカー。

初めて実写化されたキャラクターとして、ゴッサム・シティをカルト教祖のように侵食する狂気は、当時の人々にインパクトを与えた。しかし、キャラクターの方向性はコントキャラに近いもので、今のダークな雰囲気は微塵も感じない。そして、ジョーカーの部下がとにかくダメダメ。ラジカセ担がなくていいし、正直ラストの敗因も部下のミス。

本作のクオリティを今の時代に見ると、抵抗があるだろう。しかし、これは当時アメコミを実写化するのが珍しかった80年代だからこそ生まれた作品。「BOM!」「WOW!」の名残りが作風に影響を与えている。
鷲尾翼

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